「女支配国物語」
Text by 祐介
第1回・・・敗北の男達

 その世界には、ふたつの国があった。
 ひとつは、俗に『男支配国』と呼ばれ、いわゆる男性上位社会、男が女をモ
ノとして扱うのがごく当然とされる国家である。
 かつてはこの男支配国が世界の大半を支配していたのだが、近年、この支配
に対立する形で成長を続ける国家が登場した。。
 それが、もうひとつの国『女支配国』である。
 この国は、女性の持てるすべての能力を使い、実力で男達を屈服させ、従属
させている。当然、国王も家臣も兵士もすべて女性、男は「働き蜂」もしくは
「種馬」並の扱いであった。
 そんな女支配国だが、勢いはあるものの、やはり体力的に見ると男支配国に
分があり、世界の勢力図はいまだに男支配国有利であった。
 ・・・ほんの数年前までは。
 
「そんな未熟な剣技で、よく大将なんかやってるわね!」
 とある村で繰り広げられる、大将同士の一騎打ち。
 そんなふたりを遠巻きに取り囲んでいるのは、男支配国・女支配国両軍の兵
士達。彼ら彼女らは、固唾を飲んで大将の戦いを見守っている。
 この一騎打ちは、男支配国の中でも「猛将」と呼ばれる男が、この村の支配
権をめぐって申し込んだ決闘だった。
 確かに女支配国の兵士達には勢いがあり、今回の戦いでも、男達は圧倒され
ていた・・・だが、1対1なら、体力的にも男が優るはず・・・
「ぐ・・・ぐうっ・・・」
 しかし、そんな男大将の考えは、目の前で鋭く剣を突き出してくる女大将に
よって、徐々に、そして確実に打ち砕かれようとしていた。
「く、くそおっ!」
 なかば自棄気味に、男大将は大きく剣を振り上げ、女目掛けて振り下ろす。
「甘い!」
 しかし女は、男大将の剣が彼女の脳天に激突する前に、無駄の無い動きで剣
を下から上へと突き上げる。
 金属音。そして、一本の剣が空に舞い、地上に突き刺さる。
「馬鹿な・・・!」
 剣を失った男が次の行動に移る前に、女の剣が、その喉元に突きつけられる。
「つまんないわね。もうちょっと楽しませてくれるかと思ったのに」
「な・・・なんて奴、だ・・・」
 独り言めいてそう呟く男に、女は冷笑を浴びせる。
「勝った方が、この村にいる異性全員を支配する・・・
 分ってるわね、大将さん?」
 一斉に、遠巻きの女支配国兵士の、勝利の歓声が湧き起こる。
 その歓声と、女大将の冷ややかな表情に、男大将は屈辱を覚えるが、成す術
は無く、ただ肩を震わせるだけだった・・・
 
「エルナ様。準備が整いました」
 女支配国軍兵士の一人が、女大将にそう告げた。
 その報告を聞くと、女大将・エルナは満面の笑みを浮かべる。
「そう・・・今回は、戦い自体に張りが無かったから、コレは存分に楽しませ
てもらわないとねぇ・・・」
 そしてエルナは、村の中心部に位置する広場に向かう。
 ・・・そこには、千を超えるほどの男たちが、全裸にされ、手足を縛られ、
整列させられていた。
 そんな男達に向けられる、女支配国軍兵士達の好奇の瞳。
「いかつい鎧なんか着てるより、そっちの方がお似合いよ」
 エルナの言葉で笑いが巻き起こる。
 全裸の男達は、屈辱感で顔を真っ赤にし、身体を震わせ、歯ぎしりをする。
「こんな、陰湿な真似をするとは・・・ひと思いに殺せ!」
 先頭に立たされた男大将がそう吐き捨てる。
「陰湿ですって? あなた達だって、勝った所では強姦だの何だの、好き放題
やってるじゃない。私達は規律通りにあなた達を処遇してるだけ。
 殺しはしないわ。これはね、あなた達男がどんなに低俗な生き物か、分って
もらうための、教育よ」
 そう言って、エルナは男大将のもとに近づく。
「あらあら・・・鎧で隠れて分らなかったけど、あなたの身体、筋肉よりも脂
肪の方が多そうね・・・こんな醜くて情けない身体で私に勝てると思ったなん
て、甘く見られたものね・・・
 それに、ココ・・・」
 エルナは、男大将の股間に手をやる。
 男大将はビクッと身体を震わせたが、それ以上の抵抗は出来ず、エルナにペ
ニスを摘ままれる。
 男大将のペニスは、既に勃起して、固く大きくなっていた。エルナは冷笑を
浮かべながら、まるで玩具のようにそのペニスを弄ぶ。
「あなたのオチンチン、どうして勃起してるのかしら? 身体と同じ、醜いモ
ノをビンビンにして、何を期待してるのかしらねぇ・・・
 あなた、負けたのよ? 服従させるのが当たり前だって言ってる女に、それ
も1対1で・・・情けなくないの?」
「う・・・うぅ・・・」
 散々けなされ、指で弄られたペニスが、ビクビクと震える。
「あ、また大きくなった。あなた、こんな事言われて感じてるの? 変態ね。
 ひょっとして、私と戦ってる最中も、勃起させてたんじゃないの?
 ねぇ、どうなの? 変態大将さん?」
 女兵士達のささやき声やクスクスという笑いが、勃起ペニスをさらけ出して
いる男大将の全裸に突き刺さる。
「だから男は馬鹿なのよ。格好付けて、見栄張って・・・でも、裸に剥いちゃ
えば、誰でもこうなるの・・・女に馬鹿にされてるのに、オチンチンを勃起さ
せちゃうお馬鹿さんなのよ・・・早く気付いて、認めちゃいなさいよ。
 本当はこうされたかったんでしょ? 女に服従させられたかったんでしょ?
 ねぇ、節操無しのオチンチンをさらけ出してる変態大将さん?」
「ううぅ・・・く・・・あ、ああぁ・・・」
 うめき声とともに、男大将のペニスから、白い液体が放出される。
「イヤだ、こんな汚いの出しちゃって・・・そんなに感じたの?」
「う、ううう・・・」
 萎えたペニスを指で弄るエルナ。ペニスから精液を垂らし、喘いでいる男の
姿は、もはや大将と呼べるものではなかった。
「エルナ様。私達も・・・」
 女兵士達が、そう懇願する。
「いいわよ。好きにしなさい」
 その言葉に、女兵士達は一斉に、全裸の男達に駆け寄る。
 そして、好みの男の側に寄り、エルナと同じように、屈辱を与える。
 淫猥な単語を言わされる男。
 数人の女に囲まれ、罵られ、それでも勃起させる男。
 乱暴にペニスを弄られ、何度も射精する男。
「まぁ、こんなにオチンチンをビンビンにして・・・恥を知らないの?」
「変態って言われて、オチンチンが反応するのね・・・男って分からないわ。
馬鹿にされて感じるなんて・・・」
「先っぽからいやらしいオツユが溢れてるわよ・・・どうされたいの? 踏ま
れたいの? それとも握りつぶされたいのかしら?」
 ・・・これが、女支配国が勝利した後見られる、いつもの光景であった。
「見なさいよ。あの情けない姿。さっきまで殺し合いをしてたとは思えない醜
態ね・・・でも、これがあなた達の真の姿。
 ほら、そうやって、また私の手の中でオチンチンを勃起させてるのも、あな
たの本当の姿なのよ・・・」
「はぁ、はぁ、ううぅ・・・あぁ・・・」
 しかし男大将は、エルナの言葉がまったく耳に入っていない様子で、ただペ
ニスからの止めど無い快感に身を任せるだけだった・・・
 
               【第1回 終】


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