Text by 祐介
最終回・・・全裸の王様
「・・・貴方が、国王ロイ?」
場所は、男支配国王城内の、国王の私室。
男支配国の首都は、戦火に包まれて、まだ間も無いというのに、既に壊滅状
態に陥っていた。
『英雄』ジルクを失った後、女支配国王女エルナの進撃を止める者はおらず、
男たちはただ逃げ惑い、陵辱され続ける。
その命運と、男としての誇りは、もはや風前の灯火と言えた。
そんな彼らの「最後の砦」が、男支配国王城にまで進入してきたエルナ王女
の前に立つ、国王ロイであった。
「・・・く・・・」
まだ少年と呼べるほどの年齢のうえ、童顔で背丈も低いため、まったく国王
としての威厳を感じさせないロイであったが、その過剰に飾り立てられた服装
と、頭上の冠で、かろうじてエルナは、彼女の眼前で、身体中を震わせながら
も精一杯の虚勢を張っている男を、国王だと認めた。
「あらあら、怖いのかしら? ブルブル震えちゃって」
「ば、馬鹿にするな! 私も国王としての冠を戴いている以上、この命を賭け
て戦うぞ!」
「何言ってるのかしら? このコは」
エルナの言葉に、周囲の女兵士たちから失笑が漏れる。
「な・・・何がおかしい!」
顔を真っ赤にしながら叫ぶロイ。
「この状況が分からないの? もう貴方の兵士たちは、戦う気力なんてカケラ
も持ってないみたいよ・・・見せてあげましょうか?」
エルナの指示で、ロイの眼前に連れ出されたのは、つい数刻前まで女たちと
剣を持って戦ってきた、将軍たちであった。
皆全裸にされ、両手を後ろに縛られている・・・にも関わらず、彼らの瞳に
は屈辱感は無く、むしろ快楽に属する色をたたえていた。
「な・・・なんという事を・・・」
男たちのペニスは、この状況下にも関わらず勃起しており、先端部分からは
透明の液体がしたたり落ちている。口元はだらしなく開き、快感に喘ぐ声まで
漏れている始末・・・
「何をした! いったいお前たちは・・・!」
「あら、誤解しないでよ。貴方たちと違って、暴力や薬で強引に従わせてる訳
じゃないわ・・・
そもそも、男になんて、そんなモノは必要無いのよ。
ただちょっと、股間にぶら下がってるだらしないモノを弄ってやれば・・・」
「わ、私は・・・! そんな屈辱を受けるぐらいなら・・・」
ロイはそう叫ぶと、腰にさげていた短剣を手にして、首筋にあてがう。
「くだらないプライドで命を捨てるのも、男の馬鹿な所のひとつね・・・
いいわよ。見ててあげるから・・・さっさとやりなさいよ」
「・・・く・・・っ!」
ロイは、首筋に当てた短剣をまったく動かす事ができない。それどころか、
短剣を持つ手が激しく震え、目からは涙がこぼれてくる。
「ホント、馬鹿なんだから・・・男って」
軽くため息を吐くと、エルナはつかつかとロイのもとに歩み寄る。
「く、来るな・・・!」
しかし構わずエルナは、ロイの手から短剣を奪うと・・・
その勢いのまま、ロイの唇をも奪った。
「んんっ・・・!」
唐突の事で抵抗できず、舌まで絡められたロイは、しばらくもがいていたが、
やがてその瞳には快感の色が浮かんで来る。
「・・・心配しなくても、この男たちみたいには扱わないわ」
唇を離し、エルナは言った。
「わ、私をどうするのだ・・・」
喘ぎながら、ロイは尋ねる。エルナは、悪戯をする子供のような笑みを浮か
べながら、答えた。
「貴方は今から、私のお婿さんよ」
女支配国。
・・・現在では、その国こそが世界である。
その王城の一室。
「ロイ様。そろそろ御準備の方を」
世話係の女性に誘導されて、ロイは椅子に座る。その顔は真っ赤に染まって
おり、息も荒い。
「あ、あの・・・本当に、こんな格好で・・・」
「よくお似合いですよ」
ロイが唯一身につけているのは、両足のブーツのみ。世話係や、その他周囲
に控えている女たちに、ロイはその全裸を晒していた。
「で、でも・・・」
「どうなさったんですか? いつもの格好に、ちょっとおめかしをするだけで
すから、そんなに固くなさらずに・・・」
男支配国滅亡の日の、エルナの言葉通り、ロイはエルナの婿になった。
国を支配するのはあくまでも王女エルナだが、ロイも、王女の婿という事で、
最大限の待遇を受けている。
・・・ただし、全裸で。
この王城にいる男は、ロイただひとり。
大勢の女たちに、毎日のように、華奢なその裸体を・・・見られて常に勃起
させてしまっているペニスをさらしながら、ロイは生活していた。
今でも、鏡の前で世話係に髪をとかされながら、ロイのペニスはビンビンに
勃起していた。
身分的には王女に次ぐだけに、女たちはロイに対して敬語を使い、丁寧に接
していたが、その瞳には、ロイも分かるほどの侮蔑が込められていた。それを
感じてロイはさらに屈辱を感じ・・・その屈辱が、ペニスへと伝わる。
「・・・今日は、初めてエルナ様と御一緒に、民衆の前にその御姿を見せるの
ですから・・・これを・・・」
「・・・あっ」
ためらいも無く、世話係はロイのペニスに手を伸ばし、その根元にリボンを
付ける。情けない自分の姿を見て・・・そして、肌に突き刺さる女たちの軽蔑
のまなざしを感じながら、さらにペニスを固くするロイ。
「あらあら、液が漏れてきましたよ・・・どうなさったんですか?」
「んあぁ・・・ダメ、触っちゃ・・・」
そんな状態のまま、ロイは、民衆のもとへ向かった・・・
眼下に広がる、人の群れ。
王城の高みからその姿を現したのは、エルナ王女と、全裸のロイ。
「エルナ様!」
「エルナ王女、万歳!」
そんな歓声に混じって、かすかな笑いが、ロイの全身に突き刺さる。ロイの
身体はブルブル震えたが、そのペニスは勃起したままだった。
そして、エルナが民衆に挨拶をする・・・が、ロイはその言葉が耳に入らな
いほど興奮状態にあった。ペニスの先端からはどんどん先走りが溢れ、心臓の
鼓動と連動して、ビクンビクンと跳ねていた。
「・・・・・・これからもこの国は、この世界は繁栄を続けます!
私と、夫ロイがいる限り!」
自分の名前で、ようやくエルナの方を見るロイ。彼女もロイを見ていた。
そして、彼女が近づいてくる。
「さあ、挨拶してきなさい」
「え・・・」
「ほら、もっと前に出て」
エルナに背中を押され、ロイはその全裸をさらに民衆に近づける。
歓声と、聞こえない嘲笑を浴びながら、ロイは困惑していたが、側にいたエ
ルが、耳元で囁いた。
「みんなが見てるのよ・・・そして心の中で笑ってるわ。
貴方のいやらしいオチンチンをね・・・」
ロイは、思わず、まじまじと民衆を見渡す。
羞恥心が爆発的に膨れ上がり・・・そして・・・
「あ・・・あぁぁ・・・
くううぅっ・・・・・・!」
ロイのペニスから、大量の白濁液が放出され、民衆に向かって降り注ぐ。
それでも歓声は止まなかった。代わりに、聞こえない嘲笑がさらに高まる。
「ああぁぁ・・・はあっ・・・ううぅ・・・」
「どうかしら? これから私とやっていけそう?」
エルナの言葉に、ロイは、射精後のペニスをしごく事で答えた。
「うあぁ・・・ああぁん・・・い、いいぃ・・・!」
正気を無くした瞳を浮かべ、民衆の前でペニスをしごき続けるロイ。
そんな彼から離れ、エルナは言った。
「やっぱり男は、みんなこうなのよ。
くだらないプライドをはがしちゃえば、みんなこうなるのよ・・・」
世界と男を支配した女支配国は、エルナ王女のもと、長く繁栄したと言う。
【終】
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