第1試合 かすみちゃん(女子高生) VS あきら君(会社員)
・・・ 選手紹介 ・・・
赤コーナーのかすみちゃんは、小柄でかわいい色白の女子高生で、勝ち気で元気いっぱい。
赤のブラテック(女性の胸を保護するボクシング用プロテクター)が小さめなのか、
胸の谷間がくっきりとまぶしい。
ボクシンググラブはピンク色で、ミニのスカートとブーツは白。
ピンクのショーツが見え隠れして刺激的。
持ち前のフットワークの良さとするどいパンチで今のところ対戦成績6戦全勝6KO。
いずれも最後は右のアッパーで決めている。
対するあきら君は、筋肉質の体に青のボクシンググラブと青のトランクスという
出で立ちの会社員。ブーツは白。
ボクシングは今回が初めて。
・・・ 解説 ・・・
かすみちゃんは男性との対戦は今回が初めてで、かつかなりの体力差なので結構
苦戦になりそう。
一方、あきら君は体力的に圧倒的だけれども、なにしろボクシングの試合は初めてで
かすみちゃんのスピードと戦略についていけるかどうかがカギになりそう。
ともあれ、試合開始でーす。
・・・ 1R ・・・
「カーン!」
かすみとあきらの戦いのゴングが鳴った。
両者リングの中央へ猛然とダッシュした。
「パァーン、スパーン!」
先にパンチを決めたのはかすみだった。
あきらの顔面を右に左に打ちのめした。
しかし、あろうことかあきらはあまり効いてないという風に余裕の表情だ。
かすみはそんなことは気にせずに、さらにラッシュを仕掛けた。
左右のフックをあきらの顔面に、強烈なアッパーをあきらのあごに決めた。
これにはあきらも足をふらつかせた。
でもしょせんは女のパンチという風情である。
今度はあきらも初めてパンチを繰り出した。
「シュッ、シュッ!!」
かすみの顔面めがけてワンツーフックを出した。
完全にヒットかと思われたが、間一髪でかすみはかわした。
やはり16オンスのグローブではパンチのスピードが落ちているようである。
普段なら当たるはずのパンチも間一髪でかわされてしまう速度になってしまう。
もともと、かすみは身長160センチ、体重50kgとやや小柄で、対してあきらは
身長174センチ、体重70kgである。
このため、ハンデのため二人のボクシンググローブにはかなりの重量差がつけてあるのだ。
ちなみにかすみは6オンスに対してあきらは16オンスである。
かすみのパンチは、もともとスピードがあるがさらに加速している。
当然、あきらのフットワークではかすみのパンチは避けようがない。
「スバン!!、バン!、スパン!、パン!、パン!」
かすみのパンチはおもしろいようにあきらの顔面をとらえる。
しかし、腕も細く、体重も軽いため、1発あたりの威力はやや小さいようである。
「ブン!!、ブン!、ブン!!!」
対してあきらのパンチは鈍く空を切るのみであった。
かすみの見事なフットワークの前には、あきらのパンチなど当たるはずがなかった。
「カーン!」
第1ラウンドが終わった。
かすみもあきらもほんのりと汗をかいていた。
違うのはあきらの顔面がかすみのパンチを受けてやや赤くなっていることであった。
・・・ 2R ・・・
「カーン!」
第2ラウンドのゴングが鳴った。
あきらとしては、なんとしてもパンチを当てなければ勝てない。
1発でも当てればノックアウトできるかもしれない。
しかし、このままでは当たる見込みがないので、できるだけかすみにパンチを打たせて疲れさせ、
集中力が落ちたところが狙い目であると考えていた。
これに対して、かすみの方ではパンチが軽いので、なるべくたくさんのパンチをあきらに浴びせかけ、
それもできればきれいなアッパーカットをたくさん決めて、ノックアウトを狙いたい。
「シュッ、シュッ、シュッ!」
あきらはストレート、フック、アッパーの連打で攻めた。
かすみをそれをいとも簡単に、スウェーやダッキングでかわしてカウンターを放つ。
「スパン!、スパン!、パンパンパン!!!」
かすみの目にも止まらない猛烈な連打があきらの顔面をおそう。
あきらの顔が左右にはじけ飛ぶ。
と、その時あきらのガードがだらりと下がった。
やはり軽いパンチといえども、シャープなパンチで顔面を連打されれば、さすがに男といえども
もたないらしい。
かすみはここぞとばかりに今度は左右のアッパーの連打に切り替えた。
「スパパン!、パァーンパァーンパァーン!!!、スパーン!!!」
3往復ぐらいしたとき、あきらの膝ががくりと落ちた。
「スパン、スパンスパン!!」
「ダダーン!」
かすみのだめ押しのワンツーアッパーでついにあきらはマットに崩れた。
かすみは満面の笑みを浮かべて「やったわ!」という表情である。
「ワン、、ツゥー、、スリー、、フォー、、ファイブ!!」
かすみのアッパーを浴びてもう立てないのかと思われたが、フラフラとしながらも、
あきらはゆらりと立ち上がってきた。
かすみは「けっ!」っていう顔をしている。
あきらは目もうつろながら立ち上がった。
やはり、女のパンチと思ってなめていたのがまずかったということであろう。
「ファイト!」
試合再開である。
かすみはこのラウンドで決めるつもりで猛然とダッシュしてきた。
とその時、あきらは両手を顔の前にあげ強固なブロックをした。
そうである。このまま顔面を連打されれば、いくら女のパンチとはいえKOされるのは時間の
問題であることを悟ったのであろう。
これではかすみも手の出しようがなくなった。
しばし両者躊躇しているところで、
「カーン!」
第2ラウンド終了である。
つづく。
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