「浩次クンの被虐的女性体験」 Text by ATTU
Part 2

 朝になった。泣いていた浩次も、いつの間にか眠っていた。やがて、由梨子が先に
目覚めた。
「ん・・・・ふぁ〜、良く寝た・・・!」
 すぐに、横に縛られたまま眠っている彼に気付いた。そして、昨夜の事を思い出し、
少し恥ずかしくなったように顔を赤らめたものの、彼の寝顔を見つめる彼女はやっぱり
幸せそうだった。
ふと、まだ縛ったままにしていた事に気付き、慌てて足首と膝を縛っていたパンティ
ストッキングと、後ろ手に手首を縛りつけていたスカーフを解いた。
「う・・・」
 それで目が覚めたのか、彼は身体をもぞもぞと動かし出した・・・と、「うっ痛っ!」
縛られたまま寝てしまったせいで、筋肉がそのまま、硬直してしまったのだ。これが、
また痛いのである・・・。ゆっくりと、ほぐさないと筋肉を傷めてしまう。
「ごめんね。うっかりあのまま、放ったらかしにして眠っちゃって。」
 そう言いながら、由梨子は浩次の身体を優しくマッサージしてくれた。昨日とは違っ
て、彼女の手はとても心地良かった・・・。
 
 それから、由梨子は朝食を作ってくれた。トースト、スクランブルエッグ、暖かいミ
ルクティ。いつもの彼女だった、共に朝を迎えたのは今日が初めてだったが。着るもの
がなかったので、毛布に包まって食事を採った。毛布は、彼女の匂いがした。何故か、
哀しかった。
 
「帰る・・・そう、あの・・・何着て帰る?スリップスカートなんてどう?かわいくて
いいわよ。上は、花柄のロングスリーブが合うと思うんだけど。あなた、色白いし肌も
きれいだから似合うわよ、きっと。」浩次が帰ると言うと、まだ、昨日の気分が残って
いるのか、意地悪な事を言ってくる。彼が困ったような、哀しそうな顔をしていると
「そんな顔してると、余計苛めたくなっちゃう。・・・判ったわ、白のブラウスシャツ
と、黒いパンツがあるから、それを貸してあげる。あと、あたしのパンティも。だって、
下に何も履いてないと、形が出ちゃうわよ。・・・・・そうそう、やっぱ似合うわよ、
今度は花柄のブラウス着せてあげる。あ、それだけじゃ寒いでしょうから、このピンク
のスプリングコートも貸してあげる。いいから、着ていきなさい、いいわね。今度来る
時に、着て来るのよ。変な服着てきたら、またズタズタにしちゃうから。わかってるで
しょうね・・・そんな顔しないでよ、私、ほんとにあなたの事、愛してるのよ。ねぇ、
お願い、信じて。」そう言うと、彼女は浩次を強く抱きしめて、唇を押し付けてきた。
すぐに彼の唇をこじ開けて、彼の口腔に舌を入れてきた、そして、彼の舌を存分に嬲り
ものにしたのだった。思えば、これが初めてのキスじゃないか・・・。彼女の舌に陵辱
されるのを感じながら、そんな事をぼんやり思っていた。
 
 彼女のマンションを出て、駅への道をぼんやりしながら歩いていた浩次は、別れ際の
彼女の言葉を思い出していた。『ほんとうは、このまま、あなたを帰したくはないんだ
けど・・・。でも、そうはいかないものね・・・。』
彼女、どうしちゃったんだ。こんな事する人じゃなかったのに。
 そんな事を考えながら、電車に揺られていた彼は、ふと目の前にある吊革に掴まった
自分の手首を見て、思わず声を上げそうになった。そこに、縛られた跡がくっきりと
残っていたからである。慌てて吊革を離し、シャツの袖を引っ張り下げると辺りを見回
した。幸い、誰にも見られなかったようだ・・・。ただ、扉のすぐ横にいる女性が、こ
ちらを見ていたのに急に向こうを向いたのが、ちょっと気になったが・・・。それより
も、すぐ後ろで女子高生らしい2人組が浩次を見ながら、ひそひそ言っているのが、気
になった。
.「だって、あのコートだって・・・」「良く見たら、パンツも女もの・・・」「・・
・変態・・・」「・・・オカマじゃない・・・」「へんな匂いも・・」「クスクス・
・・」彼は居たたまれなくなって、車両を乗り換えた。後ろからは、彼女たちの嘲笑が
追いかけてきた。
 
 近所の人とできるだけ顔を合わせないようにしながら、自分のアパートの部屋になん
とか転がり込んだ。部屋に入るなり、着ていたものを乱暴に脱ぎ捨てた、もちろんパン
ティもである。それを床に叩き付け、更にそれを引き千切ろうとして、止めた。そのま
ま、床に突っ伏して、彼女の衣服に顔を埋めた。しばらくそのままの姿勢でいたが、や
がてその丸めた背中から彼の鳴咽が漏れてきた。
 思い切り熱いシャワーを全身に浴び、身体中に染み付いてしまったような彼女の愛液
や自分自身のスペルマを落とそうとしていた。いくら洗っても、身体がヌルヌルするよ
うな感じがどうしても抜けなかった。特にペニスやボールの部分は。ムキになって擦っ
たため、ついには血が滲んできてしまった。それでも、まだ彼は洗い続けていた。頭か
らシャワーを浴びながら、まるで泣いているのを隠すように・・・。ただ、自分の身体
が汚されてしまった事を、どうやって誤魔化せばよいのか。怒りと哀しみとあきらめと
絶望が、そこにはあった。誰にも助けを求める事が出来ないなんて、あるとは思ってい
なかった。
「こんな気持ち、どうすればいいんだろ・・・。」
 
 その夜、まんじりとしたまま、眠る事ができずに朝を迎えた。それでも、会社には行
かないと・・。嫌がる気持ちと身体を無理矢理叩き起こし、顔を洗い歯を磨き髪を梳か
し髭を剃り、ネクタイを締めた。昨日の電車の事を思い出し、手首には包帯を巻いた。
会社では、火傷したとでも言えばいい。
 それでも、電車の中で吊革に掴まると気になってしまう。朝のラッシュに揉まれなが
ら、まだ身体中に残っている彼女の痛み達を感じていた。と、誰かに見られているよう
な感じがした。だが、こんな混雑した電車で一体・・・。『気のせいかも知れないし・
・・今は、こんなんで神経過敏になってるしな・・』手首の包帯をちらりと見て、苦笑
をこらえる浩次であった。
 が、何駅か過ぎ、人の動きが何度があった後のことである。浩次は、お尻の辺りで何
か変な感じがするのに気がついた。最初は、カバンでも当たってるのかな、と思ってい
たが何か動きに意図があるような感じがあった。そのうち、そこが熱く感じられるよう
になり、なんだかちょっとくすぐったいような気持ちいいような感じが、してきている
事に気付いた。『まずい・・・勃ってきちゃってるよ・・・』身体をずらして、その感
触から逃げようとするが、執拗に追いかけてくる。これは、偶然とかじゃない・・・
『!もしかして痴漢!?』まさか、男の僕が・・・。彼はとりあえず、逃れようとする
が、いかんせん、この満員電車の中ではロクに動く事も出来ない。もう、されるがまま
でいるしか無かった。前を抑えることも出来ず、感じてるものを必死で抑えようと努力
するが、身体は正直に反応してしまっている。恥ずかしさと情けなさで多分、耳まで
真っ赤になっているに違いない。回りの人に気付かれたら、変に思われるよな・・・
 このままじゃ、ただやられてるだけだ。ついに、意を決して、その手の持ち主がいる
と思われる方向を振り向いてみた。と、一人の女性が浩次をじっと、見つめていた。浩
次と目があっても、逸らそうとしない。しかも、その間も、タッチは続いていた。
『この女だ』直感がした。
が、その視線に堪えられず彼はまた、俯いてしまった。勝ち誇るように、行為は続いた。
 しかも、だんだん大胆になってきている。彼の腕や背中に、あからさまに胸を押し付
けてくるのだ。耐え切れなくなった浩次は、途中駅にも関わらず降りてしまった。すが
るようにベンチに座り、顔を落としたままの姿勢で、しばらく落ち着くのを待った。駅
員が声をかけてきたような気がしたが、適当に応えて追っ払った。
 まだ、お尻のあたりが熱い。これは、こないだの夜の感じに似ている。確かに快感を
感じてしまっているのだが、いっぽうでは何とも言えない不快感が湧いてくるのだ。そ
の狭間にいるなんとも、やるせない思い。ただ触られただけなのに、心の中まで弄繰り
回された感じがした。相手の優越感を直接肌で感じてしまっていた。やっぱり、モノ扱
いされてる・・・、どうしても、そんな感じが拭い去れないでいた。
『そんな大きい人じゃなかったれど、恐い人だった・・・。きれいといえば、きれいな
人なのかも知れないけど。』視線に圧倒されてしまった彼は、あの目を当分忘れる事が
できそうもなかった。
 
 それでも、会社に出て仕事をしていると、気分転換にはなった。仕事に集中している
と、余計な事を考えずにすむし、会社の同僚といつものように話していると、まるで前
と変わった事など何もないような錯覚すら、おぼえていた。
 それだけに、一人になると反動が大きかった。ちょっと気を抜くと、あの夜のことや
朝の事を思い出してしまうのだ。会社を一歩出ると、誰かに見られているような感覚が
、どうして拭い去れずにいた。強迫神経症って奴かな、こんなにいろいろあると、そん
なにもなるかも知れない・・・。
 次の日も、回りに気を配っていたにも関わらず、また、あの女は来た。そして、次の
日も。乗る時刻や場所を変えてみても、駄目だった。そのタッチと同じように、ねちっ
こいいやらしさを感じ取っていた彼は、しまいには電車に乗れなくなるのではと自分で
危惧していた。
 とりあえず、一週間が過ぎた。会社にいかなくてすむ、というより、電車であの女に
遭わなくてすむだけで、ほっとする程であった。
 由梨子とは、外でデートするだけで、なんとか許して貰った。一緒に食事をして、ラ
ウンジ・バーで落ち着いて話をする。あの事があっても、彼女は変わっていなかった。
いつものように、ちょっと甘えながら彼と楽しそうに話をしている由梨子を見ていると
、やはり彼女を愛している自分を自覚していた。ただ、まだ彼女と2人きりになるのは、
どこかで抵抗があった。だから、今日は外で食事するだけにしよう、と言ったのだ。彼女
は少し不満そうだったが、結局承諾してくれた。これでいいんだ、少し間を置けば彼女
も落ち着くし、自分の気持ちの整理もつくだろう。彼は、そう思い込もうとしていた。
それが、現実からの逃避である事を彼は気付いていなかった、いや、認めたくなかった
のである。
 お別れに、軽いキスをして、彼女と別れた。ちょっと気分のいい自分を感じていた。
だが、彼には更に過酷な運命が待っていた・・・。
 
 週が明けても、やはりあの女は、彼を襲い続けた。行為はエスカレートする事はなか
ったが。彼が耐え切れなくなって、電車を降りるまで必ず続いた。いつか、電車を一緒
に降りてくるのでは、と恐れていたが、とりあえず、そこまでする事はなかった。
 
 その日、あの日以来初めてあの女と遭わずにすんでいた。しかも、最近悩まされてい
たあの監視されている気分も、今日は感じる事がなかった。久しぶりに平穏な日を送っ
た彼は、仕事で遅くなった帰り道を急いでいた。未だに一人になると、どうしても考え
なくても良い事も考えてしまい、考え込んでいるせいでつい、いつもは避けている公園
を横切っていた。ここは、夜遅くなると、近所のワルガキが集まっていたりして、危な
いので普段は避けていたのだ。
 そのまま、何気なく横切ろうとしていた彼を、イキナリ出てきた黒尽くめの人物が、
後ろから彼の口を手で抑えながら草むらに連れ込んだ!
 突然の事に、激しく抵抗する彼の股間に強烈な膝蹴りを加えておとなしくさせると、
用意していたロープで彼の手首を後ろ手に縛り、騒がれないように口に何か布を突っ込
み、幅の広い布でしっかりと猿轡をかませた。更に目隠しをしたうえで、足首を何かの
器具を使ってその辺の立ち木に思い切り開かせて、縛り付けた。あっという間の出来事
だった。
 そして、おもむろに彼のシャツを両方向へ思い切り開きボタンを飛ばすと、下から露
になった彼の乳首を革の手袋をしたまま、愛撫し始めた。思わず、浩次は感じてしまっ
たが、声を上げる事も許されず、ただされるがままに委ねるしか無かった。それでも、
鼻息が荒くなった事で彼が感じている事が判ったのだろう、軽い笑い声が聞こえた気が
した。
 そのまま、手を休める事無く、相手は彼のズボンとトランクスをすばやく下げると、
彼のペニスをいきなり咥えた。その、あまりの舌技に、思わず大きくなった彼のペニス
の根元を細い紐のようなものできつく縛り付け、ちょっとごぞごそしたかと思うと、い
きなり彼のペニスは熱いモノに包まれていた。その締め付けるアソコに、後頭部が痺れ
るような快感を憶えながら、一方で縛られたペニスが行く事を許されず、 その達した
いのにイケないというなんとも言えない感覚に翻弄されながら、ただその女の行為に、
身を委ねるしかなかった。
 女は相変わらず手袋のままで、彼の上半身を愛撫し続け彼の性感帯を刺激し続けた。
どれだけの時間、そうされていたのか判らない。その何度もイカされたようなむず痒い
ような、女性的なエクスタシーを散々味あわされた後、ついにその女も達したのか、彼
の背中に深く爪をたてたかと思うと体重を思い切りかけるように身体を預けてきて、耳
元で微かに満足の吐息を聞かせた。
 
 しばし、彼に身を預けていたその女も、つと立ち上がると、着ているものから泥を払
うような音をさせたかと思うと、彼の脚を自由にした。そして、彼の目隠しを取ったか
と思うと、目をしばたかせている彼に向かって、フラッシュのようなモノを焚いた。突
然の閃光に目をくらませている彼の手をすばやく解くと、そのまま、いずことも無く消
えていった。何とか行方を確かようとしたが、目がくらんでよく見えない。そのうち、
誰かが犬を散歩させているらしい足音が近づいてきた。彼は、慌ててあたりを見回し、
とりあえず目に付いたモノを持って、ズボンを上げるのもそこそこに、足音と反対側に
逃げたした。
 何とかアパートにたどり着くと、漸く一息ついた。気が付くと、口の中にまだ、布切
れが入ったままだった。とりあえず出してみると、それは女もののパンティであった。
 彼は、それを見ると、声を上げて泣き出した。こんなに号泣したのは、生まれて初め
てだった。どうしても涙が止まらなかった。
 次の日、彼は会社を休んだ。
                             <Part3へ続く>


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